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Column/コラム

Vol.12:  競争優位から共創優位へ? 〜新興国も含めた「オープンイノベーション」と「共創」の潮流〜

10/9/2023

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日本企業の意識の変化とその二極化

多くの人がどの程度意識しているかはわかりませんが、現在の日本の企業社会では、スタートアップや新興企業など彼らから見た外部の組織や人間と協業や連携するなどという意味で「オープンイノベーション」や「共創」という言葉が当たり前のように使われています。
そしてその企業、もちろんのこと、どちらかというと超大企業や大企業がトレンドとして扱い始めたわけですが、その中小規模の企業にも徐々にではありますがそのトレンドが浸透し始めています。
 
もちろんのこと、その中でも二極化は進んでいます。
一方では、オープンイノベーションや共創などを単なる言葉、流行、ブームとして捉え、具体的な行動を起こさなかったり、起こそうとしても的外れなことをしたりする。
もう一方では、本質的なその価値を主体的、積極的に学び、経営トップが経営戦略や事業戦略の重要課題の一つとして捉え、短期・中長期の視点で戦略をしっかりと策定している、もしくはしようとしている。
そしてその計画と実行はほぼ毎日行われ、日々試行錯誤が繰り返されています。そうすることで、近い将来に必ず価値を生む種をしっかりと蒔き、社外の支援先や取引先と共に長い目で見てもしっかりと育てていこうとしているのです。
もちろん後者は、私たちが実際に支援しているタイプの日本企業で、前者は支援が出来ないタイプの企業です。
 
そして、そういった日本企業の取り組みは、彼らの重点、注力市場の1つである新興国および市場にも目を向け始めています。
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In新興国、With新興国としての「オープンイノベーション」と「共創」

一例として、日本企業は、現地のスタートアップとうまく協力や連携するのにハードルがあったとしても諦めずに、日本の製品やサービスにとって有望な市場である東南アジアで、現地パートナーやスタートアップを探しています。

日本とシンガポールは先日、日本の東京が日本と東南アジア各国の企業のさらなるパートナーシップを目指している中、スタートアップ支援における協力を強化することで合意したようです。いわゆるファストトラック構想の下で、両国の大企業は課題を特定し、新興企業から事業提案を募りました。
日本政府は、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシアなど、急成長を遂げている東南アジア諸国連合の他の経済圏にもこの取り組みを拡大する予定だそうです。
 
前述したように、日本企業は、日本の製品やサービスにとって有望な市場を擁する東南アジアなどで新規事業のための現地パートナーやスタートアップを探していますが、現地のスタートアップとマッチングし、うまく連携するには依然として高いハードルが存在します。 なぜか。

大企業だけではないですが、それなりに歴史を持ち、主力事業などを抱えている日本企業は、基本的にその既存主力事業やそれに関連した業務を回していくことはルーティンワークを中心に慣れており、高品質にその業務を回していくことにはグローバルに見ても長けています。
故に、社内の業務や人が持つ力量、能力や、組織構造、意識、価値観など自体がそもそもその既存事業や業務に最適化された形で主に設計されています。
故に、当然のことながら、いきなり経営者や事業責任者、部長などが、スタートアップとの共創や連携を推進してくれ、とトップダウンで部下へ指示だけを出しただけで、本質的な価値を含んだ共創や連携などが、全く企業文化や価値観、新規事業に対する思い入れや力量も違うスタートアップや新興企業、ましてや新興国における彼らと実現できるか、というとそんなに簡単な話ではありません。
そもそも既存事業や業務とは明らかにリソースや問われる能力、力量、価値観なども畑違いの領域のため、今までの延長線上で自分たちの頭だけで手に負える物事ではないのです。
詳細はここでは割愛しますが、そこで私たちは実際にそのギャップを経営者や事業責任者に並走、伴走支援しながら埋め、相互の相乗効果や補完関係をうまく促進する取り組みを行っています。
協力や共創分野には医療、教育、物流サプライチェーン、飲食等など、東南アジアや他新興国地域(アジア、中東、アフリカ)でもそのニーズが高まっています。
 
実際、多くの日本企業が全社的な経営戦略や事業戦略の一環として真剣に取り組んでいます。いくつか例を挙げてみたいと思います。
日本最大のメガバンクである三菱UFJフィナンシャル・グループは、インドネシアの新興企業に特化した1億ドルの投資ファンドを設立しました。
同社のメガバンクは、インドネシアの子会社であるダナモンを技術提携で強化しようとしています。インドネシアは、東南アジア諸国の中でスタートアップの創出数においてシンガポールに次ぐ第2位です。 同グループのベンチャーキャピタル部門であるMUFGイノベーションパートナーズがファンドを管理し、計画では約 15 社の新興企業に資金を投入する予定、だそうです。
 
アジアの QR コード決済アプリが日本に流入し、訪日旅行者が自宅にいるときと同じようにスマホを使って商品購入できるようになってきています。
日本の決済スタートアップのネットスターズは、東京にある主要なスポーツ、レジャー、ショッピング施設である東京ドームシティで、ベトナムのVietnam's Military Commercial Joint Stock Bank(通称MB銀行)と提携し、同銀行のQRコードシステムを使った決済を容易にすることを発表しました。
日本の小売業者は、システムの導入によりインバウンド観光客の売上をさらに獲得したいと考えています。
QR コード決済システムは、ベトナムなどの東南アジア諸国で人気があり、ほとんどの人がスマホを持っていますが、多くの人が銀行口座を持っていないのです。
 
日本最大の多国籍エレクトロニクス企業の 1 つであり、プリンターや情報および画像関連機器の世界最大のメーカーの 1 つである同社の印刷とスキャンは、出力と入力の間の架け橋として機能し、リアルアナログとデジタルを結び付けようとしています。
その特性に着目し、様々な専門領域のスタートアップやパートナー企業との共創により、多種多様なソリューションの創出に挑戦しています。
同社のデバイスは、世界中で数千万台と接続することが可能で、外部の共創パートナーとの新しいソリューションは、新しいサービスを全世界に提供できるインフラストラクチャにもなりえます。
たとえ紙への印刷需要が減少したとしても、世界中の外部共創パートナーとともに、創造性を駆使して同社の技術を新しい形で有効活用する。その分野は、やりようによっては今後も世界的に拡大していけるはずです。
パートナー企業とともに新たなソリューションを開発・提供するというコンセプトは、主要な世界競争力のある既存デバイスやハードウェアからも始められます。
彼らは、オープンイノベーションを促進し、各市場の地元の新興企業や企業との共創を促進し、アセアン市場などでのさらなる機会を模索しています。
協力の分野には、防災、モビリティー、マーケティング、医療、教育、物流サプライチェーン、飲食等などが含まれ、スタートアップ企業だけでなく、この地域のベンチャーキャピタル、アクセラレーター、金融機関、関連協会など、東南アジアのエコシステムの主要プレーヤーとさらにコミュニケーションを図り、協力することを目指しています。
 
私たちは、こういった新興国でのオープンイノベーションや共創を推進していこうとし、しっかりと自社の課題と向き合い、それを克服していこうとしている、新規の付加価値を提供しようとしていく、またある種の第二創業的な価値観や感覚で事業を起こしていこうともする、そういった強い意思を持つ日本企業とその経営者、事業責任者、エグゼクティブ層、彼らの経済的および社会的価値をより新興国などのグローバルで起動化、活性化、最大化するため、引き続き伴走して共に努力していきます。
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Vol.11: ゼロチャイナ(中国)のコスト、リスクとは?

9/24/2023

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現実的にならざるおえない時期

ロシアのウクライナ侵攻や、以前から続いている民主主義と権威主義の対立構図により、世界的に地政学リスクが増大しています。
こうした中、世界が中国によってもたらされる地政学的リスクに備えていることは誰もが知っているところです。
しかし今日では、商品の生産と加工において中国抜きでバリューチェーンとサプライチェーンを考えることは非常に困難で、非現実的でもあります。
 
例えば、中国製製品の輸入が2か月間、80%減少したらどうなるでしょうか?
実際にコロナ禍に上海がロックダウンに入ったことを考えると、それは夢物語ではないでしょう。
日本の大学教授らがスーパーコンピューター「富岳」を使って計算したデータによると、日本国内で約53兆円(例:約3,650億ドル)もの生産価値が失われるそうです。 地域ごとに見ると、日本のサプライチェーンにおいて最も影響力が大きいのは中国であることが確認できます。
2カ月間輸入を停止した場合の輸入減少額を地域別にみると、日本が石油や液化天然ガスなどを大量に輸入している中東が1.6兆円(110億ドル)となり、中国の1.4兆円を上回る。
しかし、各地域からの原材料を輸入して製造できた製品も含めた包括的生産減少額で見ると、中国が最も大きい。
これは、中国から輸入する企業数が他の地域に比べて多く、サプライチェーン全体への波及効果が最も大きいことを示していると言えます。
中国はいつの間にか世界の胃袋も掴んでいます。
日本の食卓に並ぶ輸入野菜や魚加工品の50%以上は中国産です。
もちろん、中国への依存度が高まる中、多くの企業が何もしていないわけではありません。
日本の食品メーカーや自動車メーカーなどの企業は、生産の一部を国内に戻したり、海外へ生産を移管したりする対応を本腰を入れて急いでいる。
ただし、その延長でゼロチャイナは現実的でしょうか?
日本のコンサルティング会社は、生産と販売を結ぶサプライチェーンから中国を排除するコストを試算しました。
生産移管により製造コストは約5兆3,400億円(370億ドル)増加する。
中国からの撤退費用は5兆8000億円(350億ドル)に達する。 その他の費用も含めると、負担増と経費の増加は総額13.7兆円(950億ドル)に達します。
この額は東証プライムに上場している製造業の純利益総額の7割に相当する。 日本最大の自動車メーカー、トヨタ自動車が稼いだ約5年間の純利益が吹き飛ぶ計算でもある。
日本企業の例を見ても分かるように、ゼロチャイナのコストは膨大であり、経済効果は計り知れません。
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巨人の変化

世界最大の米国テクノロジー企業、アップルも、経済や地政学的な変化に応じて中国との戦略を迅速に変更することが求められているようです。
同社の製品の90%以上は中国の工場で生産されており、過去数年間では中国での売上高が最大25%を占めていました。
したがって、中国との変化は、Apple 自体にとって大きな変化を示すだけでなく、世界経済にとってさらに大きな変化と影響を意味します。
同社のCEOは2019年以来中国を訪れていませんが、ベトナム首相を米国本社に招待しました。
2023年にはインドに国内初の実店舗Apple Storeがオープンする予定。
ベトナムとインドはアップルのリストラの最大の受益者と言われています。
同社の主要サプライヤーのうち、両国の企業数は2017年の18社から2021年には37社に増加しました。
昨年9月にはインドで最新のiPhoneモデルの生産を開始しました。
ノート型コンピューターの生産が間もなくベトナムで開始されるというニュースもあります。
大手銀行の調査によると、現在中国以外で製造されているアップル製品は5%未満だが、2025年までには約25%にまで増加すると予測されています。
サプライヤーも中国から流出しています。一例は台湾のエレクトロニクス企業です。
一つはリスク分散。もう1つはコストの抑制です。
中国の平均賃金は過去10年間で2倍になりました。
Appleが生産拠点を移転したのは、移転先の市場を潜在顧客として見始めたことも大きいはずです。
世界第2位のスマートフォン市場であるインドと同様、新興国では多くの消費者にとってiPhoneが高すぎる市場となってきましたが、状況が徐々に変わりつつあるというデータが入ってきています。
同社は今年4~6月期のインドでの売上高(iPhoneを中心に)が前年比ほぼ2倍になったと発表しています。
一方で、消費市場としての中国の魅力や重要性は低下しつつあります。
売上高に占める中国のシェアは2015年の25%(欧州全体を上回った)から、今年は19%に低下。
中国の習近平国家主席はこれをさらに引き下げたいと述べました。
中国共産党大会では「科学技術の独立・自立」を訴え、輸入品と国産品の競争が今後激化すると強調しました。
おそらくこの地政学的な要因が、Appleが生産拠点を見直す最大の理由だろう、と思います。
 
問題はそれほど単純ではない

生産拠点を中国から他国に移すだけで問題とリスクは十分解決するのでしょうか?
もちろん、それほど単純ではありません。
先ほどの日本企業の試算を見ても、莫大なコストと負担となることがわかります。
また、アップルの場合、中国以外での生産比率が高まっても、中国企業への依存度は変わらないとも言われています。
Luxshare や Gotech などの中国企業は、中国国外で Apple とのビジネスを拡大しています。
去年9月、インド政府が中国企業のインドでの生産を許可する可能性があると報じられました。
JPモルガンは、2025年にはiPhoneの電子部品生産に占める中国企業の割合が現在の7%から24%に増加し、取り扱う部品の範囲も拡大すると予想しています。
インドやベトナムなどの国は自国の部品メーカーの育成に力を入れていますが、今年と来年の膨大な部品需要を満たすために部品メーカーの数が急速に増えるはずはありません。
いかなる国や企業も中国を無視することは容易ではなく、感情的に無視すべきではない。
中国企業との中長期的な共存共栄には現実的な解決策を模索する必要があるだろう、とも思うのです。
サプライチェーンの管理戦略も、必要な量の在庫を確保するジャストインタイムから、緊急事態に備えて在庫を増やすジャストインケースへ移行しています。
現在、最適なサプライチェーンポートフォリオを形成することは、歴史上最も困難になりつつあります。
数十種類の戦略を並行して実行するとともに、短期的なコストが多少高くても、そこから生まれる中長期的なコストとリターンが適切な範囲であれば、攻めの姿勢をとることができます。
そうした取り組みや経営者やリーダー層の決断力がより求められているように感じます。
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Vol.10: なぜ、より多くの投資家や事業家は今この時に日本市場も目指した方が良いのか。そしてそれに付随して起こる日本企業における事業機会、とは

9/8/2023

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スローパラダイムシフト

日本は人口増加モデルの時代から脱却し、生産性向上、高付加価値、高所得なども目指さなくてはならない時代にかなりの前からシフトしてきていましたが、それでも多勢を占めるシニア層や保守層などが重しとなり、中々それらのシフトがスピード感を持って取り組まれていなかったわけです。
ただ不幸中の幸いなのか、コロナによって、以前より、より一層自分も変化しなければならない、という主体的な危機感が少しずつ大衆層個人個人にも広がり始めています。
こういった日本特有の思考回路やその変化の順序、段階踏み、潮流などは、日本人か日本のことを中身からよく知っている人にしか、読み取れない部分だと思います。
 
海外の人からすると、現代の日本人というと、リスクを嫌い、大企業での終身雇用を好むサラリーマン、サラリーウーマンばかりだ、と思われていることも多いのですが、ここ10年でもまた状況は少しずつですが変わってきたと思います。
海外の投資家や事業家からすると、別に日本を軽視しているからではないわけですが、単に情報不足で、日本のことを本当にほとんど知らないです。
日本という国は非常にオープンのようですが、成り立ちやその歴史、地政から見ても、世界的に見てまだまだ総合的には閉鎖的な国です。
これには良し悪し両方があり、それが良い、悪い、の一つの答えを短絡的に出すことはできません。
何れにしても、現在ふつふつと、パラダイムシフトの一つが起き始めている、のは事実かと思います。正確には、いい加減に加速的にシフトしないと相当マズイ、わけですが。
 
日本でも少しずつですが、スタートアップ企業やあらゆる形態の起業、事業興しがメインストリームの一つになり始めています。実際、国内トップレベルの優秀でイノベーティブな人材の多くがスタートアップ界や起業にも強い関心を持ち始めています。これは、10年前と比べると、その度合いの違いがかなり大きいです。(もちろんまだ少数派、であることに変わりはないでしょうが)
その背景にはさまざまな、国の政策や大企業の取り組み、など様々な要素があるわけですが、いずれにしても変化は少しずつですが後追いでついてきています。
 
海外と比べて圧倒的に競争が少ない、日本のスタートアップ界は確かに大きな発展を遂げてきましたが、もちろんのことまだまだ成長の余地ばかりです。
GDPの割合で言えば、日本のスタートアップ投資額は米国や中国と比べてまだ圧倒的に小さいのが現状です。この差は、日本のスタートアップ市場の成長ポテンシャルの大きさ、そして競争の少なさを示していると思います。
というのも、例えば、米国や中国ではどこもかしこも競争が超激化しています。それと比べると、日本の競争環境はまだ非常に穏やかと言えます。
また、東京などの大都市はスタートアップを立ち上げるのに絶好の都市です。
なぜなら、日本の経済のほとんどが首都圏に集中しているからです。例えるなら、日本のハリウッドやワシントンDC、ニューヨーク、シリコンバレーが全て東京に集約されているようなもの。
ほとんどの大企業や優良企業が東京やその大都市圏に拠点を構えていて、電車で安価にすぐにアクセスできるため、極めて効率的に営業活動を行えます。 また、首都圏には現在4,000万人ほどの人が住んでいますが、似たようなライフスタイルを持ち、同じようなコンテンツを好み、抱えている問題にもやはり多くの共通点があります。つまり、プロダクトを考案・マーケティングしやすく、非常に攻略しやすい顧客層とも言えるわけです。人材も世界的に見ても優秀です。
少なくともリソースが限られているスタートアップにとっては大きなアドバンテージになります。東京を集中的に攻略するだけで、日本のマーケットをほぼ手中に収めるための、大きな軸になるからです。 また、そこでの成果をピポットに、周辺アジア地域への事業拡大、も視野に入れられます。

一方で、だからと言って海外のスタートアップ企業などが日本の地方都市から事業参入することが間違い、というわけではないとも思います。
しっかりとした戦略性を持ってさえいれば、ビジネスの種類によってはあえて地方都市から参入をしてスモールスタートをし、じわじわとより大きな大都市圏へ展開していく、というアプローチも取れるほど、日本の多くの地方都市にはそれなりの規模感の安定した独自の経済圏が存在しており、世界的に見るとそれが当たり前でないことにも気づきます。
 
課題先進国

また、日本は多くの産業、業界で課題先進国でもあります。
その一つとして、高齢化が世界一進んでいる日本は、健康、医療、介護などにおける様々なサービスの世界的トップランナーになれる巨大成長市場があります。
その点などは税金を極限まで下げているハブ国や、若さを売りにして経済成長が著しい国、先進国の仲間入りをしようと頑張っている国、などでは太刀打ちできる領域ではありません。
経済全体が右肩上がりの成長国ではありませんが、それでも日本には世界トップクラスの圧倒的規模の安定した内需(成長課題市場)が存在します。
 
今までも今日でも、日本国内で機関投資家、海外投資家、海外事業家などを呼び込むことが、日本のスタートアップ業界にとって長年の大きな目標の1つでした。また本来は日本本社地盤の大企業、中堅企業などにとっても必要な連携でもあるのです。
海外の事業家や投資家からすると、いかに優秀で相性の良い日本人ビジネスパートナーと上手くWin-Winで連携、組むことができるのか、も発展の鍵となるとも思えます。
日本という国、日本人は、海外の人たちが思う以上に、非常に深みや広さを持っていて、世界的には実は非常に個性が際立っている、ため、そう易々と日本の外からの思考回路や知識、知見、ノウハウ、能力、価値観のみを横展開するだけで成果を出すこと、は出来ないからです。
ある種その地に馴染むことで、課題解決に向けた深いコミットメントが求められるわけです。

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Vol.9 : アフリカ開発会議(TICAD8)の開催(新興国経済、社会、政治アップデート=アフリカ編)

8/4/2023

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第8回アフリカ開発会議(TICAD8)

コロナウイルスやウクライナ戦争など世界的に困難なタイミングにもかかわらず、第8回アフリカ開発会議(TICAD8)は去年8月27~28日、チュニジアの首都チュニスで多くのチュニジア国民の尽力にもより成功裏に開催されました。
 
これは、1993年10月5~6日に東京で開催された第1回TICAD会議以来、8回目の開催となります。この会議は、アフリカと世界との間で最も長く、最も古い二国間会議であり、国際会議でもあります。
2日間のイベントでは、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、地球温暖化、ウクライナの戦争状況などを背景に、アフリカで回復力(レジリエンス)を高め、グローバルな包摂性(インクルーシブ)と豊かさを達成する方法などについて議論されることなどが期待されていました。
おおよそ48カ国を代表する66の公式代表団(財務大臣、経済貿易大臣、外交団など)が、地域および国際組織、市民社会、120人のジャーナリストとともに会議に出席されたようです。
そして土曜日午後に予定されていたTICAD 8ビジネスフォーラムには50社近くの日本の大手企業も参加したようです。
彼らは100人程度の経営者と執行役員を代表とし、合計おおよそ300名程度のビジネスマン(アフリカから100名、日本およびその他海外からも同数名)が無事イベントに参加しました。
主な成果として、日本の岸田文雄首相は以下の要点と概要を発表し、そこから少なからずの成果を得られたことがわかりました。
「アフリカは若者に支持され、ダイナミックな成長が期待できる大陸です。 日本はアフリカとともに「共に成長するパートナー」です」
「『成長と分配の好循環』を通じて、アフリカそのものが目指す強靱なアフリカを実現する」
「人」を重視した日本流のアプローチのもと、「人への投資」と「質の高い成長」を重視。 今後3年間で300億ドル規模の官民投資により、多額の資金を投じて以下の取り組みを行ってまいります。」
 
(1)グリーン投資:「アフリカ・グリーン成長イニシアチブ」を立ち上げ、官民合わせて40億ドルを投資。
(2)投資促進:日本とアフリカの若者が取り組むスタートアップに注力。 日本政府は、日本の経済界による100億円を超える「スタートアップ投資ファンド」の計画を歓迎している。
(3)開発金融:アフリカの人々の生活改善を目的として、アフリカ開発銀行と最大約50億ドルの協調融資。 アフリカ諸国の債務整理努力を支援するため、最大10億ドルの新たな特別枠を創設。
(4)保健と公衆衛生:人間の安全保障の原則に基づき、世界の基金に最大10億8000万ドルを新たに拠出。
(5)人材育成:アフリカ諸国30万人の将来を支える産業、保健医療、教育、農業、司法、行政などの分野。
(6)地域の安定:複雑化する地域情勢に対応するため、「アフリカの角」特使を任命し、対応体制を強化。
(7)食料安全保障:アフリカの人々の暮らしを守る強靱な社会を構築するため、アフリカで20万人の農業従事者に1億ドルの協調融資と研修を実施。
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アフリカ-日本の未来 ~アフリカ諸国との絆とこれからの展開~

TICADの特徴は、日本が主導し、アフリカ連合委員会(AU)、世界銀行、国連開発計画(UNDP)などの多国間の枠組みを持つ国際会議体であることです。
今年のTICADはこれまで以上に重要であり、運営も実は大変だったそうです。
アフリカの多くの国々はコロナやウクライナ戦争などで経済危機に陥っており、日本側も今回のTICADを通じてアフリカ全体とのビジネス促進策を強化する必要があると思います。
確かに日本の対アフリカ直接投資残高や貿易総額は世界トップクラスですが、2010年代半ばから減少傾向にあります。
大手企業を中心に一部の企業はアフリカで存在感を示していますが、全体としては日本企業はアフリカへの投資や貿易を拡大できていない。
一方で、現場レベルでは変化も見られます。 近年の重要な傾向としては、アフリカに進出する日本の中小企業や、アフリカへの投資を行う日本企業が増加していることです。
近年、アフリカではITやデジタル技術を活用したアフリカの中小スタートアップ企業の成長が目覚ましく、いわゆるフィンテックもその一つですが、さらに詳しく深く見てみると、そこにはさまざまな業界、セクター、ビジネスモデルがあることがわかります。中小企業を含む日本企業も、実はさまざまな分野でこの種のビジネスに参入し始めています。
そして、このトレンドはまだ始まったばかりなので、実際には未開発の事業参入機会がたくさんあります。
今回のTICAD8チュニス宣言では、民間セクターの更なる投資、技術移転、産業人材育成に加え、社会課題の解決に向けたアフリカのスタートアップ企業の役割を強調することが盛り込まれていました。

これは今回のTICADの公式の場ではあまり言及されていないかもしれませんが、私の考えでは、アフリカのような途上国、新興国市場にとって、日本を含む現在の世界市場におけるもう一つの興味深い特徴と機会は、外貨建て債務関連の構造による資金調達かもしれません。
中央銀行による長年にわたる景気刺激策の強化により、日本のベンチマーク、ソブリン利回りはゼロ付近にまで低下していて、日本の銀行の多くは高利回りの資産とビジネスチャンスを渇望しています。
新型コロナウイルスのパンデミックが経済を混乱させてきた中、インドの最大手企業が比較的低コストの資本を求めて日本に目を向けている、ケースが近年インドでよく見られます。
借り換えなどのための海外からの融資アクセスはインド企業にとって極めて重要であり、2020年のオフショア債務額は前例のない総額約310億ドルに達すると予測されていました。 世界的な金融市場の混乱の中で、米ドル資金調達は近年、より高価になっています。 日本円の調達価格の上昇は緩やかですが、依然として日本円での資金調達の魅力を高めている。
では、なぜアフリカと、そしてアフリカでその解決策をとらないのでしょうか?
アフリカでも関連する資金ニーズが数多く見られる可能性があります。
アフリカの潜在力は世界の成長のドライバー、原動力です。 したがって、皆さんもご存じのとおり、アフリカにとって緊急かつ重要な「人への投資」に改めてコミットメントを示す今回のTICADは、地域や地域だけでなく国際レベルでも多くの意味と貴重な成果をもたらします。
 
また、多国間主義と国連憲章を含む国際法に基づいて協力する約束、すべての国の主権と領土一体性の尊重の重要性を認識し、すべての国が国際法に従って紛争の平和的解決を追求しなければならないことを今回のTICADでは強調されました。
 
次回のTICAD9は2025年に日本で開催され、2024年にはTICAD閣僚会合が開催されます。この数年間に私たち個々人、一人ひとりが実務的に進めなければならないことはたくさんあるように思います。
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