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Column/代表コラム

Vol.45:【経営者、リーダー層向け】なぜ今、新興国地場企業の経営者は「Sustainable Growth Partner」を求めているのか

4/9/2026

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その背景にある構造変化と、日本企業が向き合うべき現実とは
​

近年、新興国(東南アジア、インド、中東、アフリカ)において、企業の成長の在り方そのものが大きく変わりつつあります。
かつてのように、「市場が伸びているから参入する」「人口増加に乗る」といった単純な構図では、持続的な成果を生み出すことが難しくなってきています。
 
この変化は、日本企業側の課題として語られることが多いですが、実は同時に、新興国地場企業の経営者側にも大きな変化が起きています。
それは、彼らが外部に求めるパートナーの“質”が明確に変わってきている、という点です。
 
ローカル企業の進化と、前提の崩壊
まず押さえておきたいのは、新興国のローカル企業の進化です。
多くの市場において、地場企業やスタートアップは、以前とは比較にならないスピードと柔軟性で事業を成長させています。
 
・意思決定の速さ
・市場への適応力
・テクノロジーの活用
・リスクを取りながら学習そして改善を繰り返す姿勢
 
こうした要素を前提に、彼らは事業を日々アップデートしている。
 
その結果、「日本企業=優れている」「外資=強い」という前提自体が、すでに崩れ始めています。
市場に参入しただけでは価値を持たず、「どのような価値を、どの構造で提供できるのか」が厳しく問われる環境になっています。
 
「パートナー」の定義が変わった
こうした環境の中で、新興国の経営者が求めるパートナー像も、当然ですが大きく変わっています。
かつては、
・販路を持っている
・商品を供給できる
・資本を提供できる
といった、いわゆる“リソース提供型”のパートナーが中心でした。
 
しかし現在は、それだけでは不十分です。
彼らが求めているのは、
・事業の方向性や戦略を共に考えられる
・意思決定の質を高められる
・変化の中で戦略を更新し続けられる
といった、より深いレイヤーで関与できる存在です。
 
言い換えれば、
単なる取引先や協力会社ではなく、「Sustainable Growth Partner」としての役割が求められているのです。
これは私の知り合いや友人、ビジネスパートナーにも多いですが、優秀な経営者であればあるほど、その傾向は強いです。
当然と言えば当然なのですが。
しっかりしている人ほど、人生のパートナーになり得る人を真剣に、そして本質的に捉えようとする、検討しようとするのと同じことです。
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経営課題の本質が変わっている
この背景には、経営課題そのものの変化があります。
かつては、
「どう参入するか」
「どう売るか」
が主なテーマでした。
日本人がよくやっている海外展開支援的なサービスやコンサルティングで、よく見るテーマかと思います。
 
しかし現在は、
・どの市場で戦うべきか
・どの領域に集中するか
・どのような構造で、誰と、持続的に成長するか
等など、より上流の意思決定が、成果を大きく左右します。
 
つまり、課題の本質は「実行」だけはなく、「意思決定の質」に移っている。
だからこそ、新興国の地場企業経営者も、
単なる情報や実務ではなく、
自らの判断をアップデートできるパートナーを求めています。
 
日本企業が向き合うべき現実
この変化は、日本企業にとっても当然無関係ではありません。
 
むしろ、日本企業が新興国市場で存在感を発揮できるかどうかは、
一つの重要な要素として、
この「パートナーの定義の変化」に適応できるかにかかっています。
 
・自社は、何を提供できるのか
・なぜその市場で戦うのか
・どのような価値を持続的に生み出せるのか
等など。
 
こうした視座が高く、視野・視点が広く深い問い、に向き合わないままでは、
どれだけ優れた技術や製品を持っていても、資本を持っていても、
パートナーとして選ばれることは難しくなっていきます。
 
これは決して、新興国の話だけではありません、グローバルに言えますが。
企業としての在り方そのものが問われている、と言えるでしょう。
 
おわりに
新興国市場は、単なる事業単体の成長機会ではなく、
企業の戦略性や意思決定の質を試される場になっています。
もちろんそれらを乗り越えていくことで、事業単体の売上や利益だけでなく、
その企業のヒト・組織、経営全体の価値向上、成長ドライバー、変革ドライバーになりえるポテンシャルを持っています。
 
そしてその中で、求められているのは、
部分的な支援ではなく、
構造的な成長を共に創るパートナーです。
 
この変化をどう捉え、どう向き合うか。
それによって、今後の事業や組織の成長軌道は大きく変わっていきます。

ここまでお読みいただき、もし
「自社の場合、この構造変化をどう捉え、どう意思決定すべきか」
「自社の場合、この戦略性をどのように具体化すればよいのか」
「どこから手を付けるべきか、判断軸を整理したい」
「新興国事業における自社の“勝ち筋”を一度整理したい」
等など、と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。

そうした経営者・リーダー層の方向けに、
現在、期間・枠数を限定して、以下の機会を設けています。

--------------------------------------------------
【限定5枠|伊藤 東京滞在中(先着順)】
新興国事業 戦略セッション(60-90分)

〜事業の方向性と意思決定軸を再定義する〜
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単なるご相談ではなく、
経営判断に繋がる“アウトプット”を持ち帰っていただくこと
​
を目的としています。
​
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※本セッションは、単なる情報提供や一般的な助言ではなく、各社の状況に応じた意思決定の整理を目的としています。
*対話の内容は全て守秘義務徹底し、口外することはありません。
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コラム執筆者:伊藤 弘幸
​

​
ワンブルーム株式会社 代表取締役
新興国(アジア:東南アジア+インドなど、中東、アフリカ)を主とした海外、グローバル事業や経営を、中長期的にも持続可能な成果へと導く、新興国ビジネス&マネジメントのプロ、トップアドバイザー、戦略的パートナー。
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Vol.44:【経営者、リーダー層向け】新興国ビジネス&マネジメント(東南アジア、インド、中東、アフリカ)では、より一層その実践的な戦略性が求められるようになってきている -Part 2-

1/19/2026

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なぜ今、「さらに」戦略性が求められるのか
-東南アジア・インド・中東・アフリカに共通する本質的変化-


前回(Part 1)​=「Vol.38:【経営者、リーダー層向け】新興国ビジネス&マネジメント(東南アジア、インド、中東、アフリカ)では、より一層その戦略性が求められるようになってきている -Part 1-」では、新興国(東南アジア、インド、中東、アフリカ)向けの事業創造において、「戦略性」がこれまで以上に重要になってきている背景などについて少し整理しました。
 
市場の成長性だけを前提にした事業展開や、過去の成功モデルの横展開では、持続的な成果につながらない局面に入っている、という点です。
 
今回のPart 2では、「実践的戦略を持ちたいが、どうすれば良いかわからない」「戦略は立てているはずなのに、なぜ持続可能な成果につながらないのか」という問いなどに対し、今あらためて求められている“戦略性の中身”を、より実践的な視点から掘り下げていきたいと思います。
 
なぜ今、「さらに」戦略性が求められるのか。
近年、新興国ビジネスを取り巻く環境は、大きく三つの点で質的に変化しています。

① 「成長市場=儲かる市場」という前提の崩壊
かつての新興国市場は、人口増加や中間層の拡大といった
“市場そのものの成長力”が、企業の試行錯誤を吸収してくれる余地がありました。
しかし現在は、
・ローカル企業の急速な高度化
・価格競争の激化
​・デジタル化、AIによる参入障壁の低下
などにより、「参入しただけ」「販路を作っただけ」では、
​ほとんど価値を生めません。

私が知っている、支援してきた企業などでも(一例として外食・小売・製造業等など)、省人化やオペレーション再設計によって生産性を大幅に引き上げ、グローバルに高収益を実現している企業が多く存在します。
そこに共通しているのは、単なるコスト削減ではなく、
・誰に
・どんな価値を
・どの形で届けるのか
​を根本から見直し、事業の設計そのものを戦略的に再構築している点です。

新興国ビジネスにおいても同様に、「市場が伸びるから勝てる」のではなく、
自社がどこで、どう勝つのかを明確に定義できる企業だけが、
​一時的ではなく、持続可能な成果を出せる局面に入っています。

② 外部環境の複雑化と、意思決定スピードの二極化
地政学リスク、政策変更、規制、為替、テクノロジー進化など。
新興国市場では、外部環境の変化がより速く、より複雑になっています。
一方で、現地のローカル企業やスタートアップは、
・権限委譲された意思決定
・小さく試し、素早く修正・撤退する動き
によって、驚くほどのスピードで環境に適応しています。

この状況下で、日本企業が従来型の
「検討 → 合意 → 稟議 → 実行」
​というプロセスのまま挑めば、戦う前に勝負が決してしまうことすらあります。
私が支援してきた企業の中でも、そこが変われない、変わろうとしない会社、
​も見てきましたが、はっきり言ってそれではグローバルに戦う土俵にすら立つ見込みがないため、こちらも静かに身を引いていかざるおえません。

戦略とは、もはや「目標や計画の精度」ではなく、
変化にどう対応し続けるか
​という意思決定の構造そのものになってきているのです。

③ 成功事例の「横展開」が通用しなくなった
私が出会う高収益企業の多くは、
・事業領域を極端に絞り
・全方位ではなく、限定された土俵で勝ち続ける
​という戦い方をしています。

そこに共通しているのは、
「何をやらないか」を明確に決めていることです。

新興国向け事業でも、
「この国でうまくいったから、別の国でも」
「この商品を横に展開すれば」
​という発想だけでは、むしろリスクが増幅します。
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戦略性の正体①:「選ばないこと」を決める
-外向き(市場・環境)戦略の本質-


今求められる戦略性の第一の正体は、
「選ばないこと」を決める力です。

多くの日本企業が新興国ビジネスで陥りがちなのは、
チャンスを取りこぼすことを恐れ
市場や施策を広く取りすぎ
結果として戦線が拡散する
​という状態です。

しかし、持続的に成果を出している企業ほど、
・対象とする国・地域
・顧客セグメント
・提供価値の範囲
などを意図的に絞り込んでいます。
これは自らを決して「小さく収める」訳ではない、
​というロジックで理解できているかも重要です。

​戦略とは、可能性を最大化することではありません。
選択肢を減らし、集中度を高めることです。
これは優良な多くのグローバル超大企業でさえ、意識的にしていることです。
新興国市場では特に、
情報の不完全さ、現地パートナーの力量差、
​限られたリソースなどといった制約があります。
だからこそ、「やれること」より先に、
「やらないこと」を決められるかどうかが、戦略の成否を分けたりします。
 
戦略性の正体②:戦略を“動かす設計”
-絵に描いた餅にしないための構造-


二つ目の正体は、
戦略を実行に移し、動かし続けるための設計力です。

どれだけ立派な戦略を描いても、
・意思決定の権限が曖昧
・現場と経営の距離が遠い
・学習と修正のサイクルが回らない
状態では、戦略は机上で終わります。
現場での商売・事業・ヒト組織・経営の実践と切り離された戦略は、
​どれほど精緻でも機能しません。

私が知っている持続的な高収益企業ほど、
・現場の試行錯誤を経営が学習材料として取り込み
・戦略を固定せず、アップデートし続けている
点が共通しています。

私が行う伴走支援では、
戦略立案そのものよりも、
戦略を動かすための意思決定構造・推進体制・対話の設計に
​重きを置いているのにも、明確な理由があるわけです。

これはアドバイスでも、実務代行でもなく、
​経営と現場の間に入り、戦略が機能する状態をつくる“触媒”の役割でもあります。
 
戦略性の正体③:内向きの問い
-なぜ自社が、それをやるのか-


そして三つ目が、最も見落とされがちな要素です。
​それは、内向きの戦略性です。

・なぜ新興国で事業をやるのか
・その先に、どんな姿を目指すのか
・何を大切にし、何を捨てるのか
・自社はそもそも、どういう存在なのか

一例ではありますが、これら自己分析が曖昧なままでは、
​どんな市場戦略も、どんな実行設計も、いずれ空回りします。
戦略とは、外部環境への適応であると同時に、
自社の存在意義を問い直すプロセスでもあります。

​新興国向け事業は、単なる売上拡大の手段ではなく、
人・組織・経営そのものをアップデートする機会にもなり得ます。
​定量的目標のみありきではなく、定性的な重要要素を無視した形で、
事業化やその運営を試みようとすると、そんなに遠くない未来に、
​必ず構造的な限界が見えてきます。

おわりに
-戦略を「描く」から「共に進める」へ-

​
私が新興国ビジネスにおいて提供しているのは、
単なる戦略立案でも、実務代行でもありません。

・推進役として
・触媒として
・参謀として

​経営者・リーダー層、そして他プロジェクトメンバーと共に考え、共に進め、
​戦略性を適切に組み込みつつも、
その戦略が実際に持続可能に機能する状態や構造をつくることを重視しています。
 
新興国ビジネスの難しさは、正解が無いことだけではなく、
問い続けること、学び続けること、自分たちにとっての適性を追求すること、
​をやめた瞬間に、答えが古くなること、構造が弱まることにあります。

だからこそ今、
​“さらに”その実践的な戦略性が求められているんだと、私は思います。
コラム執筆者:伊藤 弘幸

​
ワンブルーム株式会社 代表取締役
新興国(アジア:東南アジア+インドなど、中東、アフリカ)を主とした海外、グローバル事業や経営を、中長期的にも持続可能な成果へと導く、新興国ビジネス&マネジメントのプロ、トップアドバイザー、戦略的パートナー。
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新年のご挨拶
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​昨年は大変お世話になりました。
​本年もよろしくお願いいたします。
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当社は、来たる2月18日(水)〜2月20日(金)
​オンラインシステム上において開催されます、
​「海外ビジネスEXPO2026オンライン」に出展いたします。↓↓


当日は本代表コラムの定期購読者限定で、
当社代表によ
る15分の無料戦略相談も受け付けています。
​会場で皆様にお会いできることを楽しみにしております。

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当社代表伊藤がトルコ代表団幹部との
面談、意見交換を実施 
↓↓


当社ワンブルーム株式会社代表の伊藤が、
来日中のトルコ代表団幹部(経済系)と、
今後のトルコー日本間におけるより一層の共創と経済連携(相乗効果)
についての可能性とその実行部分での具体的戦略などについて
意見を交わしました。
詳しくはこちら
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Vol.43:【経営者、リーダー層向け】新興国向け(東南アジア、インド、中東、アフリカ)新規事業では、なぜ経営・リーダー層を中心としたリスキリング(学び直し)が必須なのか -Part 2-

10/20/2025

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学びの次の段階へ:「知識」から「認識の更新」へ

前回(​Vol.34:【経営者、リーダー層向け】新興国向け(東南アジア、インド、中東、アフリカ)新規事業では、なぜ経営/リーダー層を中心としたリスキリング(学び直し)が必須なのか -Part 1-)では、経営者やリーダー層の「学び直し」や「学び続ける姿勢」が、もはや企業の競争優位を支える選択肢ではなく、新興国市場で事業や経営を継続させるための前提条件になっている、という点を取り上げました。
 
そして取り組む主体であるその企業の経営陣、リーダー層自身がまずは主体的にそれを実行に移せるか、がその新興国において持続的にも成長や運営が可能な事業や経営を生み出せるかどうか、の一つの肝になってくる、という点です。
 
また、その”学び直し”、”新しいことを学び続ける”という意識や姿勢、そしてその具体的実行を抜きにして、新興国向けなどで新規事業を試みようとすると起こりがちなこと、についていくつか事例を取り上げました。
そしてその具体的実行を抜きにしているわけではない中で、起こりがちなこととして、その新しい学びを机上だけで終わった気になってしまう、ことなどについても触れました。
 
今回Part 2はその続編として、単なる“学ぶ姿勢”に留まらず、それをいかに事業、経営や組織の動きに実装していけるか、という段階へ話を進めてみたいと思います。
特に、新興国(東南アジア、インド、中東、アフリカなど)のように、社会構造も市場変化も激しく、成長のリズムも日本とは大きく異なる環境では、「学ぶこと」そのものよりも、「学びを事業や経営の中でどう機能させるか」が問われています。
言い換えれば、“学びを成果に変える経営”へと自らを進化させられるかどうかが、持続的に現地で価値を生み出せる企業と、表面的な参入で終わってしまう企業を分ける分岐点になっています。
 
経営者やリーダー層のリスキリングというと、一般的には「新しい知識を学ぶ」「新しいスキルを身につける」といった表層的な意味で語られがちです。
しかし実際に新興国で成果を出している企業ほど、彼らがまず取り組んでいるのは「知識の獲得」だけではなく、「認識の更新」です。
なぜなら、新興国市場では、前提そのものが日々書き換えられているからです。
たとえば、購買層の価値観や行動パターン、国家の政策やその決定プロセス、地場企業のスピード感や意思決定構造、そのビジネスモデルと戦略などは、日本の常識を前提にしては理解できません。
同じ「市場分析」や「競争戦略」でも、背景にある構造認識を間違えれば、どんな優れた知識も役に立たないのです。
あなたの組織の“前提”は、いまどの時代・どの市場のものになっているでしょうか。
 
つまり、本質的なリスキリングとは、情報を学ぶことだけではなく、決断や意思決定の“OS”をアップデートすること。
私が現地企業や日本企業の経営者と伴走しながら支援しているのは、この「思考OSの刷新」そのもの、が多くある内の一つのコア要素でもあります。
そこでは、学びが単なる知識補充ではなく、目標から逆算した形での必要性に応じて、組織や経営そのものの再設計や改善・改革を促す契機となるように支援しているわけです。
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学びを“組織の力”に変えるために

もう一つ、多くの日本企業が見落としがちな重要な論点があります。
それは、「学ぶ経営者やリーダー層」が存在しても、「学び続ける組織」が存在しない、という現実です。
 
経営者が海外出張や視察、外部の支援者やパートナーなどを通じて刺激を受け、新しい知見や知恵を得たとしても、それが組織の仕組みや判断プロセス、知恵に落とし込まれなければ、企業の行動や実力は何も変わりません。
実際、現地で強い存在感を示している企業ほど、学びを個人ではなく組織的な能力に変換する仕組みを持っています。
それは制度やマニュアルではなく、現地リーダーとの共創を通じた意思決定の共有や、現場感覚・リアルを交えた事業推進、現場の試行錯誤を経営・リーダー層が学習材料として活かすような“知の循環構造”です。
 
この循環がある企業ほど、失敗を恐れずに現地で試せる文化や構造的に持続可能な事業創造を追求する意識が生まれ、学びが強靭性のある成果へと転換されていきます。
私の伴走支援でも、単なるアドバイスや知恵提供にとどまらず、「主体性のある学び」「学びを動かす構造、血肉にする構造」そのものの設計を重視しています。
リスキリングを「個人の能力向上」だけではなく、「組織の学習能力強化」として捉える視点こそ、今の日本企業が最も必要としている変革の一つだと感じます。
 
これは当然ですが、経営者やリーダー層からマネージャーや実務担当者への矢印の方向だけではなく、マネージャーや実務担当者から経営者やリーダー層への矢印の方向も大事になってきます。
よくある新興国向け事業をうまく推進及び運営できない企業の特徴や性質の一つとして、経営者やリーダー層がそのプロジェクトの実務を担うマネージャーや実務担当者個々人の能力が足りていないから目標を実現出来ていない、と結果が出ない要因を現場側に求めてしまう傾向があります。
故に、そのマネージャーや実務担当者個々人の能力向上こそが重要で、研修でもセミナーでも、本でも受講させよう、読ませよう、学校へ行かせよう。
もしくは内部で難しそうであれば、それを担えそうな職歴を持っているフルタイム人材を外から採用しよう、と試みるわけです。
結果、そのマネージャーや実務担当者の能力向上やポジション充足が成されたとしましょう。
ただ、それだけで同社の新興国向け事業は実践的かつ戦略的に意思決定及び推進され、その後事業化が成され、その後黒字化を経て成長軌道に乗り、持続可能に運営していけるようになっていくのかどうか。
必ず途中で何度も壁にぶち当たります。
そして高い可能性で、それが頓挫、停滞、停止していくでしょう。
なぜなのか。
 
そもそも同社の経営者やリーダー層が、どうその事業創造を全体視点で導いていけるのか、意思決定できるのか、マネジメントしていけるか、が新興国向け事業においては、肝中の肝となります。
それ無しに、マネージャーや実務担当者の能力向上もあり得ませんし、もし実際にそれなりの能力や意識・認識レベルを持っている担当者が運良くそこにいたとしても、うまくその力を引き出してあげたり、最大化してあげるような推進や関わり方が、その経営者やリーダー層にはできないわけです。
しかし、それに向けた実力や知見、知恵、意識や認識レベルが足りていないという自己分析をその経営者やリーダー層はそもそもできていないため、自分の実力不足を棚に上げ、根本育成やその磨き上げが蔑ろにされてしまうのです。
 
画一的なものに縛られている組織ほど、経営者やリーダー層の、内だけでなく外からも学ぶ意識や認識が低いですし、そういう組織では「学び続ける組織」「アップデートし続ける組織」など目指すこと自体が、夢のまた夢状態になります。
​実際には、経営層自身の“導き方”や“学び方”を見直すことが、現場の能力発揮を最大化する近道になるケースが多いのです。
 
新興国向けの事業創造は、「学び続ける組織」「アップデートし続ける組織」を作り上げていくことこそが、その後持続可能な事業を生み出していく、そしてそれを経営していく上で、非常に重要な武器になります。
また違う見方で捉えてみると、新興国向けの事業創造の機会を通し、売上や利益といった単なる事業単体視点だけではなく、「人・組織・経営全体の実力を底上げ出来る機会」とも捉えられるわけです。
ほとんどの企業やその経営者やリーダー層は、上記の前者及び後者に対する意識や認識を持った上で、新興国向けの事業創造に取り組めていません。
 
その「アップデートし続ける組織」のためにも、まずはその経営者やリーダー層自身が、内にも外にも開かれた姿勢で「オープンラーニング」できるかが問われています。
その一歩が、企業の変革と持続的成長を支える大きな分岐点にもなっていきます。
コラム執筆者:伊藤 弘幸

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ワンブルーム株式会社 代表取締役
新興国(アジア:東南アジア+インドなど、中東、アフリカ)を主とした海外、グローバル事業や経営を、中長期的にも持続可能な成果へと導く、新興国ビジネス&マネジメントのプロ、トップアドバイザー、戦略的パートナー。
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​シャルジャ首長国(中東・アラブ首長国連邦、
UAE)の政府系投資促進機関トップが来日ー日本-シャルジャ投資フォーラムにて当社代表・伊藤とトークセッションを実施

2025年6月18日、UAE・シャルジャ首長国の政府系投資促進機関「Sharjah FDI Office(Invest in Sharjah)」のCEO、モハメド・アル・ムシャルク閣下が来日し、東京・グランドハイアットにて開催された「日本・シャルジャ投資フォーラム」に登壇。
日本企業の中東・GCC展開に向けたSharjahの活用可能性について、当社ワンブルーム株式会社 代表・伊藤弘幸と対談形式で戦略的対話を行いました。
Sharjahをハブとした日系企業の成功事例や、中小企業にとっての持続可能な進出モデルなどが語られました。
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新興国ビジネスでの持続可能な成果に向けた、経営者やリーダー層ならではの悩みや課題、まずは"Simple(シンプル)でQuick(クイック。60分、1時間/回)" な戦略相談窓口、「新興国ビジネス&マネジメントのスポアド」を開始!

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​Vol.40:【経営者、リーダー層向け】今こそ日本企業は、アフリカ諸国とのビジネス(事業)における共創を最注力の一つとして取り組むべきその理由とは 〜TICAD9が8月横浜にて開催〜
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Vol.41:【経営者、リーダー層向け】日本企業にとっての中東市場、中東ビジネスの密かな可能性
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Vol.42:【経営者、リーダー層向け】TICAD9(アフリカ開発会議)を終えて。大きな進展とまだまだ感じる日本企業とアフリカ企業・アフリカ市場とのギャップ
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Vol.42:【経営者、リーダー層向け】TICAD9(アフリカ開発会議)を終えて。大きな進展とまだまだ感じる日本企業とアフリカ企業・アフリカ市場とのギャップ

9/9/2025

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その成果と進展について

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2025年8月20日から22日にかけて、横浜で第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が開催されました。
日本政府が国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、そしてアフリカ連合(AU)と共催するこの会議には、アフリカ諸国の首脳を含む約50か国が参加し、最終日には「TICAD9ヨコハマ宣言2025」が採択されました。
テーマは「アフリカと共創する革新的解決策」。
これまで以上に「共創」の姿勢を打ち出しながら、民間主導の成長、人材の活躍、そして地域統合の推進が柱とされました。
 
日本側からは、複数の新しい提案や具体的な支援表明がなされました。
例えば「インド洋—アフリカ経済圏」構想が示され、インドや中東とアフリカを結ぶ経済回廊の中で日本企業の役割を強めていく姿勢が打ち出されています。
​また、アフリカ開発銀行との連携を通じ、最大55億ドル規模の融資支援を行う方針も表明されました。
さらに人材育成では、3年間で3万人規模のAI人材を育てると明言し、デジタル化と雇用創出を両立させるアプローチを強調しています。
 
このような新規提案に加え、前回のTICAD8(2022年、チュニス)で掲げられた「3年間で300億ドル規模の資金動員」という約束が、2025年7月時点で既に達成されたことも報告されました。
これは日本政府として、アフリカにおける投資・開発支援の実績を一定程度積み上げてきた証左といえます。
ヨコハマ宣言では、経済や産業分野における投資促進やアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の推進、人材育成と女性・若者のエンパワーメント、農業・食料システム改革、気候変動とグリーン成長、さらには平和と安定に向けた協力など、多岐にわたる分野が改めて整理されました。
特に農業分野では、CAADP(包括的アフリカ農業開発計画)やカンパラ宣言(2025)との連動が明示され、現地の食料安全保障と栄養改善が重視されています。
 
会期に合わせてJETROが主催した「TICAD Business Expo & Conference」では、日本企業とアフリカ企業の展示や個別商談、官民対話のセッションが並行して行われ、現場でのネットワーキングやパートナー探しが活発に進みました。
​国際機関も軒並み、「アフリカ主導の解決を共に創り上げていく姿勢」が強まった点を評価しており、TICADは依然としてアフリカにおける日本のプレゼンスを可視化する重要な場であることを再認識させる結果となったと言えます。
 
実際にそのTICAD Business Expo & Conferenceに参加していた私としても、6年前のTICAD7横浜よりその参加されている日本とアフリカ双方の企業人たちの数、そして本気度、新しい価値を提供していくんだ、共に生み出していくんだ、という気概、意識。
そして参加されている役職者たちの属性が経営者やリーダー層であったり、その割合が確実に増えているのを感じたり、彼らの意識の変化など、この6年間で大きな進展が現場では起きている、ことがまた感じられました。
 
また、この規模感で日本対地域、の枠組みでBusiness Expo & Conference併設の開発会議が行われているものは、他にはありません。
日本対ASEAN(東南アジア)、日本対インド、日本対中東、でもこのような性質の開発会議は存在しないわけです。
そういった意味で、一部のグローバル企業、大企業だけに限らず、中堅や中小規模の企業、スタートアップ、他各種支援者やステークホルダー、エコシステムプレイヤーも含めた形で、ワンストップで新興国向けビジネスや事業の話が進展していくプラットフォーム、としての価値は大きなものだと改めて痛感させられました。
この機会を長い年月をかけて、汗水垂らしながら現場で準備してくれた、主導してくれた、運営してくれた日本政府側、行政側の実務者の方々には、感謝とそして敬意を表します。
世界中様々な国際会議を現場レベルで見てきた、体感してきた、そして一部運営側としても関わってきた人間として、まさに日本だからこそ実現できる、付加価値の高いレベルのグローバル開発会議だと誇りに思います。
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まだまだ感じる日本企業とアフリカ企業・アフリカ市場とのギャップ
​
​
一方で、私も含めたその本当の成果を担う現場での実務者たちは、今回やこの6年間などを通して感じてきた課題感、としっかりと向き合い、そして対処していくことが求められます。
 
今回のTICAD Business Expo & Conferenceで情報や意見交換させてもらいました、日本企業やアフリカ企業の経営者やリーダー層の方々との会話を通しても、まだまだ各種ミスマッチやギャップを感じる要素、レベルアップそして乗り越えていかなければならない課題などがたくさん存在することを実感しました。
また当然ですが、それらは我々の常日頃現場レベルで起きている、我々の支援先企業の事業や組織、経営に関連するところの課題感と重なる要素です。
 
色々とある中で、一つ事例を挙げてみたいと思います。
それは「我が主張押し付け営業」です。
今回お話をさせていただいた日本企業の中でも多くがそうでしたが、とにかく「自分たちが売りたいものをただ売っている」から抜け出せていない。
もちろんのこと、自分たちが作るもの、提供するものを売ること、がブース出展などしている企業の担当者、彼らの仕事であることは理解できます。
ただそこだけにフォーカスしている、もっと言いますと細部も見てそれ以上の全体戦略を持ちえながらその場に立てていない企業、というのは、結局いくらそこにアフリカ諸国の要人やビジネスパーソンが訪れたところで、その場はふわふわっとした会話で終わり、会期後に具体的な商談に進んだり、相手との実践的且つ戦略的な関係深化が進むことはほぼありません。
また一部の奇跡で、とある相手とのニーズがその場で合致したところで、良くてその後何かが単発で発生する程度で、継続性や持続性はほぼ皆無です。
 
一方でその構造の脆弱性、を何となく感じ取っている企業というのは、スタンス、意識がやはり違います。
今実力として出来ているか、出来ていないか、を関係なく見ても、それらの企業はまず大前提として「自分たちが売りたいものをただ売っているだけではダメ」という考え方を内に持たれています。
つまり、単に目の前にあるもの、所持しているものを売るだけの「営業的思考」ではなく、市場や潜在顧客層のニーズや課題に対してのソリューションや付加価値を見極めつつの「事業創造的思考」も持たれているか、感覚的にそれが大事であるという頭もある、ということです。
故に、当然ですが同社が取るその体制やアプローチ、は単に「営業的思考」で渦巻いている企業とは違ってくるわけです。
例えばEXPOのブース出展者、などを見ていても、よく分かることです。
誰がいて、何を、どうやって対応をしているか。
何を話しているか、何を聞いているか。
現状として、まだまだ日本企業はアフリカ市場向けにおいても、その「我が主張押し付け営業」から抜け出せていない企業が多く存在します。
 
すでに既存製品のグローバル販売で成功体験があり、それを新しい市場であるアフリカ市場へも拡販していきたい、と考える企業の施策も、それ自体は悪いことではないのですが、やはりそれだけに執着してしまうと、その周りには多大な機会損失が潜在的に発生している事実、に気付けません。
単に見えるキャッシュを使うことだけが経営的に捉える「コスト」ではなく、「やらない・やれないコスト」、いわゆる巷で言われる「コスト・オブ・インアクション(何もしないことのコスト」にどう向き合えるか、とも言えます。
 
アフリカ、そしてアジアや中東なども含めた新興国市場は、思われている以上にその中身が複雑ですし、極めて多様です。
「当社の強みを活用して、実はそのようなことも出来るのか」と思える発想こそが生きる市場、とも言えます。
アフリカ市場側の消費者や企業も、賢い消費者そして優秀な企業であればあるほど、日本企業からのそういったプラスαの構想力を期待しているところがあります。
今回も多くのアフリカ企業の経営者やリーダー層と情報や意見交換する場がありましたが、まさにそこは変わっていません。
ただし、そのWinWinを構築していくには、それぞれが「ただ売りたいものを主張する」「ただ買いたいものを主張する」だけでは、成り立ちません。
そこに実践的な工夫や戦略、そして愚直で泥臭い擦り合わせなどが求められてきたりするわけです。
 
私が支援する企業様、経営者・リーダー層の方々もそこを打破していきたい、と思われている方が多いです。
私も彼らと共に、他人事ではなく、完全な自分事として、引き続き日本企業が持つその課題感、としっかりと向き合っていきます。
コラム執筆者:伊藤 弘幸

​
ワンブルーム株式会社 代表取締役
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